WordPressは日々新しいバージョンがリリースされています。(当記事執筆時点で4.7.4です)
WordPressでサイト構築したらその後新しいバージョンがリリースされた・・・バージョンアップしたいけどどうしたらいいのかわからない。
という人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、WordPressのバージョンアップ方法をご紹介します。
概要
バージョンアップってほんとにしないといけないの?
自動でバージョンアップしてくれるんじゃなかったっけ?
そういった声もよく聞きます。
そのあたりの疑問にもお答えし、バージョンアップの手順を書いていきます。
バージョンアップの重要性
そもそもバージョンアップは必要なものなのでしょうか?
バージョンアップには大きく分けて2種類あります。
1つが機能の拡大や改善です。
新しい機能が増えたり、使いやすくなったり、場合によっては削除されることもあります。
一般的に「バージョンアップ」と聞くとこちらを想像するのではないでしょうか。
もう1つが不具合修正や脆弱性対応です。(この場合は「アップデート」と呼ばれることもあります)
想定していた動作とは別の動作をしてしまうことを「不具合」といいます。
ユーザーにとって重大な問題となる不具合から、気が付かないほどの小さな不具合までいろいろあります。
また、不正な操作などで、データを改竄したり他人のアカウントでログインしたり情報を抜き出したりなどができてしまう状態であるような、セキュリティ上の問題があることを脆弱性といいます。
これらを修正・対応するためのバージョンアップです。
機能の拡大や改善は必要がなければしなくてもよいと思うかもしれませんが、ユーザーの利便性が増すなどのメリットもあります。
不具合修正や脆弱性対応はしておかないと取返しのつかない大きな問題につながります。
今は何も起こっていなくてもいずれ何かが起こるかもしれない、それが不具合や脆弱性です。
このためバージョンアップは必ず行うように心がけましょう。
自動バージョンアップについて
自動バージョンアップがあるWordPress。
勝手にバージョンアップされて動かなくなっていた。。。というのが恐くて自動バージョンアップしないようにしている人もいるかと思います。
また、自動バージョンアップしても必ずしも最新にはならず、マイナーバージョン(「4.7.4」の最後の「4」の部分)のみバージョンアップされます。
これはメジャーバージョン(「4.7」の部分)のバージョンアップには機能の拡大や改善が含まれているため、バージョンアップはユーザーに任せるためです。
とはいえ、メジャーバージョンアップにも不具合修正や脆弱性対応が含まれています。(マイナーバージョンアップは軽微な不具合修正のみ)
このため、手動でのバージョンアップが必要になってきます。
手動でのバージョンアップは管理画面からできるようになっています。
今回はこの手動でのバージョンアップの手順をご紹介します。
リスク管理
「バージョンアップは必ず行うように心がけましょう」と書きました。
ですが、注意する点があります。
場合によってはバージョンアップを断念しなければならなかったり、バージョンアップしたあとで戻す必要が出ることもあります。
問題はテーマやプラグインです。
WordPressのバージョンアップを行うと機能の拡大や改善、削除が行われます。
テーマやプラグインでその機能を使用していたらどうなるでしょうか。
使い方にもよりますが、エラーになったり正しく動かなくなることもあります。
まずテーマやプラグインが最新のバージョンに対応しているか確認しましょう。
配布しているサイトなどに書かれていると思います。
最新バージョンがリリースしたばかりではテーマやプラグインの検証がまだされておらず対応しているかわからないこともあります。
また、独自で作成したテーマなどでは検証しきれないこともあります。
そういった場合は諦めるか、「やってみる」しかありません。
バージョンアップしてみて、正常に動作するか確認し、もし問題があれば元のバージョンに戻すという作業です。
「やってみる」時はもちろん、そうでなくても、バージョンアップはファイルをごっそり変更しますので、事前にファイルのバックアップをしておきましょう。
FTPでファイルをすべてダウンロードしておきます。
これでもしもの時はダウンロードしたファイルをすべてアップロードすれば元の状態に戻せます。
バージョンアップではデータベースが変更されることがあります。
変更されてしまうと、ファイルを元に戻した時に動かなくなります。
このためデータベースもバックアップしておきましょう。→データベースのバックアップ方法はこちら
もしテスト環境などがあるなら、先にそっちをバージョンアップしてテストしましょう。
いきなり本番だと、もしもの時に戻せるとはいっても一時的に動かない状態が公開されてしまいます。
テスト環境で「大丈夫」となってから本番をバージョンアップしましょう。
準備
これからバージョンアップの手順を書いていきますが、その前に確認しておくことがあります。
バージョンアップは、ファイルやディレクトリーのパーミッション(変更などの権限)が適切に設定されていないとできません。
多くのレンタルサーバーやクラウドサービスではそのままで問題ありませんが、中には変更が必要になるところもあります。
パーミッションの確認・設定はFTPなどで行います。
詳しくは割愛しますが、変更が必要な場合は、ディレクトリーを757(もしくは777)、ファイルを646(もしくは666)にする必要があります。
バージョンアップ手順
さて、前置きが長くなりましたが、ここからが本番です。
まず管理画面にログインします。
ログインするとダッシュボードが開いていると思いますので、左メニューの「更新」(①)をクリックします。
右側に更新画面が表示されますので「今すぐ更新」(②)をクリックします。
この時、日本語と英語のどちらにもできますので間違えないように注意してください。
「-ja」が日本語、「-en_US」が英語です。
また、すでに最新版でバージョンアップの必要がない時は
「最新バージョンの WordPress をお使いです。」
と表示されます。
バージョンアップ中は処理の内容が逐次表示されます。
バージョンアップが終わると自動的に更新画面に戻ります。
バージョンアップの内容によってはデータベースの更新が必要な場合があります。
「WordPressデータベースを更新」(①)をクリックします。
データベースが変更されて更新画面に戻ります。
プラグイン、テーマ、翻訳も新しいバージョンがリリースされていれば、この画面に表示されます。
こちらも同様にバージョンアップしておきましょう。(①②③)
プラグインとテーマはバージョンアップするものを選択できますので、したいものにチェックをつければそのプラグイン・テーマのみバージョンアップされます。
FTP情報入力画面が表示される場合
バージョンアップの際に、環境によってはFTP情報入力画面が表示される場合があります。
この場合、テーマのfunctions.phpへ追記が必要になります。
functions.phpを開いて、一番最後に次のコードを追記します。
1 2 3 4 5 | function filesystemMethod($args) { return 'direct'; } add_filter('filesystem_method', 'filesystemMethod'); |
追記したら再度更新画面に戻って更新ボタンをクリックします。
バージョンアップが終われば追記したコードは削除してください。
まとめ
今回はWordPressのバージョンアップについてご紹介しました。
ボタンを押して進めるだけなのですが、その前に確認や準備があり戸惑う人も多いと思います。
上記手順どおりに進めれば難しいものではありませんので一度やってみてください。
一度できてしまえば次回からはスムーズに進められると思います。
また、もしものためにバックアップをしたり、場合によっては戻さなければならないなど、恐いと思うかもしれませんが、あくまでもしもの時の保険です。
バージョンアップは不具合修正や脆弱性対応など重要なこともあります。
セキュリティのためにバックアップをする習慣をつけましょう。